研究環境

Moro Labは、大阪大学(以下、阪大)と理化学研究所(以下、理研)に研究室があります。阪大医学系研究科(生体防御学教室)は、阪大医学部(大阪府吹田市山田丘)の基礎研究棟に、理研Moro Lab(自然免疫システム研究チーム)は、理研生命医科学研究センター(IMS)(神奈川県横浜市鶴見区)の北棟に研究室があります。
それぞれの研究室には、細胞生物学、分子生物学、免疫学的解析は勿論のこと、最先端の研究を行える環境が整っています。特に、免疫研究において必須となるフローサイトメーター(セルソーターBD AriaⅢやアナライザーBD CantⅡ、BD Celesta)、自動磁気細胞分離装置(ミルテニー社AutoMACS)、リアルタイムPCR(Thermo fisher社QuantStudio3)などを保有していますので、様々なアプローチから生命現象や病態の解明を試みることができます。
学生および研究員は阪大Moro Lab(生体防御学教室)あるいは理研Moro Lab(自然免疫システム研究チーム)のいずれかで研究を行うことが可能です。阪大Moro Labの研究員は阪大医学系研究科あるいは免疫学フロンティア研究センター(iFReC)に所属でき、学生は、阪大医学系研究科(修士2年間、博士4年間:学位は「医学博士」)のほか、生命機能研究科(修士2年間、博士3年間:学位は「学術」「生命機能学」「理学」「工学」の中から選択可)に所属することができます。理研Moro Labで研究を行いたい学生は、連携大学院制度を利用してもらうことになります。リストにない大学院につきましては別途相談に応じます。

理研の連携大学院リスト

阪大Moro Lab(生体防御学教室)の魅力

生体防御学で研究を行う魅力として、1)自然に囲まれた環境であること、2)新しい実験室で最先端研究が行えること、そして、3)基礎から臨床応用を目指したTranslational research(橋渡し研究)が行えることが挙げられます。我々の研究室は北大阪に位置する大阪大学吹田キャンパス内にあります。1970年の大阪万博の跡地である万博記念公園に隣接していることもあり、周りは木々や公園といった大自然に囲まれています。そのため、周辺の景色は格別で、研究室の窓からライトアップされた万博記念公園の太陽の塔や日本最大級の大型複合施設EXPOCITY内の観覧車が見られます。吹田キャンパスは、広大であり食堂がいくつもあり、学生が多いことからも和気藹々とした雰囲気です。iFReCや隣接する微生物研究所では研究のみならず様々なイベントがあり、特に研究室の枠を超えて開催されるソフトボール大会は、いろいろな専門の人たちと知り合う機会を提供し、私たちに新しいアイデアや発想をもたらしてくれるため、キャンパスライフを充実させるだけでなく研究にも良い影響を与えてくれます。

大学と聞くと、古く汚いイメージがありますが、私たちの研究室は2019年度に発足したこともあり、まだ真新しさを残しております。落ち着いた木目調の実験台に、緑のカーテンが生える私たちの研究室は、古びた阪大医学系研究科の建物の中でも異空間さを漂わせています。デスクワークをする居室は、紫と緑を基調とした開かれた空間にデスクが並んでいるので、開放感のあるなかでデータ解析を行えるため、学生同士がいつでもディスカッションが可能な環境ですので、このような環境は我々の研究を後押ししてくれます。

研究環境についてですが、まず共通機器が充実している点が一つのメリットです。大阪大学には、共同研と呼ばれる共通機器が充実した研究棟、さらにはiFReCにも共通機器室があります。これらの共通スペースには、免疫学のみならず、医学、生物学といった多岐にわたる研究に用いる機器があるため、機器が無いから解析できないということがほとんどありません。この点は、我々の研究に大いに役にたっています。また、大阪大学医学系研究科やiFReCには著名な免疫学者たちが集まっており、免疫研究が盛んに行われています。iFReCでは、そのような研究者たちとのディスカッションの機会が定期的に設けられており、激しい議論を交わすことでより良い研究を進めることができます。私たちの研究室もそのミーティングに参加しています。一方で、生命機能研究科では、染色体や発生の研究など免疫以外の生物学研究が盛んであり、常時セミナーが開催されるなど異分野の研究に触れる機会があります。そのため、我々は、この機会を利用して分野を超えた交流を介し、異分野研究の融合を行うことで新たな領域を開拓していこうと考えております。さらに、医学系研究科には呼吸器、消化器、脳神経など様々な医学領域の臨床研究も盛んに行われており、それぞれの領域との共同研究が進んでいます。日常的に臨床研究セミナーも開催され、最先端の臨床研究を知ることができます。我々は、これまで疾患モデルマウスを用いてその病態解明を試みてきましたが、阪大医学系研究科に研究室を発足するにあたり、マウスを用いた基礎研究から導き出された知見をヒトへの臨床応用を目指したTranslational researchを推進していこうと考えています。以上、こうした環境での研究は、研究分野や基礎、臨床研究など枠にとらわれない自由な発想を生み出し、歴史を変える研究へとつながると期待しています。

生体防御学教室の実験室風景

生体防御学教室の実験室風景

生体防御学教室の居室風景

理研Moro Lab(自然免疫システム研究チーム)の魅力

理化学研究所生命医科学研究センター(理研IMS)は新しい医科学の発見から未来の医療に貢献することを目指し、ゲノムと免疫の双方向から疾患発症のメカニズムの解明に取り組んでいます。個体、組織、細胞、タンパク質、脂質、ゲノムなどの様々なレベルで生命現象を多層的に見るオミックス解析研究に力を入れており、オミックス基盤研究の開発も積極的に行い、日本のライフサイエンス、メディカルサイエンスの礎となる研究を目指しています。様々なキャリア、分野の研究者がそれぞれの特徴を生かし切磋琢磨しながら研究を行い、積極的に共同研究を行うことで新しい融合領域が生まれる土壌が育まれています。マイクロバイオーム、メタボローム、ゲノム、トランスクリプトーム、エピジェネティクス、ガン免疫、腸管免疫、皮膚免疫、イメージングなどの専門家が物理的にも近い場所で研究を行い、何か疑問があればすぐにコンタクトを取れる環境にあります。国際性も豊かであり、様々な国の学生や研究者がとともに研究することで多様な意見が生まれます。理研の公用語は英語であり、セミナーやディスカッションは英語で行われます。横浜市鶴見区に位置する理研IMSは東京、横浜の両方にアクセスが良く、これらの場所で開かれることが多い学会やセミナー、あるいは他大学の研究者との会議も容易です。羽田空港や新幹線新横浜駅にもアクセスがよく、国内の他の場所で開かれる学会の参加も容易な立地です。

理研Moroラボはそのような優秀な研究者を有するIMSにおいてもトップレベルの業績を出し、国内外から注目される研究室です。自然免疫、アレルギーの分野で常に社会的にインパクトのある研究を行っています。理研Moroラボは研究員と学生が積極的に協力、ディスカッションをすることでプロフェッショナルな研究環境が形成されています。十分な居室、実験スペースが確保され、またマウスの飼育、管理や実験の補助を行うサポートスタッフが充実しており、日々の研究をスムーズに行う環境が整っています。研究室にはフローサイトメーターやセルソーター、PCR、顕微鏡など免疫研究を行う上での基本的な実験装置が整備されており、さらに理研共通機器として複数台のセルソーター、二光子顕微鏡、次世代シークエンサーなどが利用可能です。前述したように理研の公用語は英語ですが、Moroラボのミーティングも英語で行われます。英語は今後の国際社会では必須のリテラシーであり、ミーティングにおける英語での発表、ディスカッションを通して英語の力をつけることができます。研究においてはシングルセルRNA-seqなどの最新の技術を他の研究室とコラボレーションを行うことで取り入れ、免疫研究の最先端を走っています。理研Moroラボはサイエンスを心から愛し楽しむ人々が集う研究室です。

自然免疫システム研究チームの実験室風景

自然免疫システム研究チームの実験室風景

自然免疫システム研究チームの居室風景

自然免疫システム研究チームの居室風景

Moro Labの機器

  • BD FACSAriaⅢ&Ⅲu

    BD FACSAriaⅢ&Ⅲu

  • BD FACSCelesta

    BD FACSCelesta

  • BD FACSCantⅡ

    BD FACSCantⅡ

  • QuantStudio3 Real Time PCR systems Thermal cycler

    QuantStudio3 Real Time PCR systems Thermal cycler

  • GentleMACS Dissociators autoMACS Pro Separator

    GentleMACS Dissociators autoMACS Pro Separator

  • MESO® QuickPlex SQ 120

    MESO® QuickPlex SQ 120

その他

  • オールインワン蛍光顕微鏡 BZ X9000
  • 蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡
  • 細胞走化性測定 EZ TAXIScan
  • In Vitro 遺伝子導入装置 CUY21 Pro Vitro
  • 中空糸膜細胞培養システム FiberCell Systems
  • パラフィン包埋ブロック作製装置 ティッシューテック TEC プラス