2022年11月15日
基礎配属@阪大
阪大医学部では毎年8月末から11月中旬にかけて3回生が基礎系研究室に配属される。今年も3名の医学生が配属された。
ピペットマンの使い方から始まった彼らの研究生活は、本日研究発表という形でフィナーレを迎えた。指導してきた立場からしても緊張する場面であったが、多重染色したフローサイトメトリーのデータを丁寧に説明するなど心配を吹き飛ばす発表内容であった。想像していた以上の難しさや大変さを感じた部分もあったようだが、彼らなりに基礎研究の面白さややりがいを発見してくれたみたいで聞いていて嬉しくなった。
最後はささやかながらお疲れ様会を開催し、研究室からはメッセージカードを送った。思いがけず学生からお礼の品を渡され指導者冥利に尽きる出来事となった。
過去の基礎配属学生たちと学内でバッタリ会うと、その成長した姿に目を細めてしまう。今年の学生も数年後立派になっていると思うと今から楽しみである。若者たちに幸あれ!(八代)
2022年11月5日
ラボ2つ、愛情2倍、体重2倍 @RIKEN&阪大
ラボが2つあると楽しいことも悲しいことも、イベントも2倍になる。毎年誕生日にはラボメンバーがこっそりケーキを用意し、誕生日だということを忘れたくらいの絶妙なタイミングでサプライズを仕掛けてくれる。ほとんどの場合、サプライズになるが、まれにこっそりケーキにろうそくを灯し準備をしている部屋に私がうっかり入ってしまい、「今、入ってこないでっ」などと怒られることもある。今年も理研、阪大のラボで誕生日会をしてくれた。ラボメンバーの心遣いに感謝。理研で1ケーキ、阪大で2ケーキ、家で1ケーキ、合計4つのケーキを食べた。
そして残ったものは・・・思い出と体重。
2022年9月24日
ILC学会@Hawaii
アメリカハワイ島で行われた4th International Conference on Innate Lymphoid Cells (ILC4)に参加しました。ILC学会は自然リンパ球分野の最も大きな国際学会です。4回目となる今回はCOVID-19の世界的パンデミックにより2年間の延期を余儀なくされ、そのため、待ちに待った現地開催となりました。
3日間で行われた学会は連日みっちりセッションが組まれ、かなりハードなものでしたが、自然リンパ球の多岐にわたるトピックスについて熱のこもったディスカッションが毎日繰り広げられました。どの研究もシングルセル解析や複雑なコンディショナルノックアウトマウスによる解析がもはや必須で、その研究スピードとスケールの大きさに驚かされました。
今回の学会で得た一番の収穫は、やっぱり現地開催は素晴らしい!ということ。オンラインでは味わえない会場の雰囲気や世界の研究者たちの熱量、日本ではあまり見かけない生き物(?)に触れ、研究へのモチベーションが非常に上がりました。1日でも早いコロナの収束とこのような現地開催が増えてくることを願うばかりです。個人的には、米国留学時代の同僚、旧友と再会出来、とても良い刺激になりました。さあ、帰って研究頑張ろう!(古賀)
2022年9月13日
日独免疫ワークショップ@Goslar(ドイツ)
ドイツ中央のゴスラーという小さな町で久しぶりの日独免疫ワークショップが開かれました。戦災に合わなかったため、古い町並みが美しいまま保存されている場所です。日本人向けの観光地ではありませんが、ドイツらしさが満載の素晴らしい町でした。日本免疫学会とドイツ免疫学会の交流事業のため、もともとはPIだけでなく若手研究者も一緒に行くはずでしたが、航空料金のあまりの値上げに若手の参加は断念。若手交流ができなかったことは残念でしたが、ハイレベルな研究発表で3日間免疫漬けの毎日を堪能できました。新しい友達もたくさんできて、やっぱり国際交流は最高に楽しい!中高生向けのアウトリーチなどで「研究者になってよかったことは?」と聞かれることがありますが、国際交流ができることが魅力の1つとして挙げられるのではないでしょうか?朝食から夕食まで日独の免疫学者がずっと行動を共にするので、急速に親密度がアップして、大成功に終わりました。最終日の夕食前に町の外れにある要塞まで全員で散歩に行き、中世の服を着せられて参加者全員が騎士になる儀式を受けるという貴重な?体験をしました(騎士になった証明書付き)。写真は要塞においてあった、ロバの仮面(罪人に罰として被せて辱めるためのもの)を試着する私の横で虚ろな目をする松岡先生がいい思い出です。
ドイツはヨーロッパでも珍しくまだ電車の中ではマスク着用が義務付けられています。ドイツの帰りにオランダに寄ってから帰国したのですが、電車でドイツからオランダへ入った途端、車内アナウンスで「さぁ、もうマスクを外していいですよ!」というアナウンスが入ったのが面白かったです。
2022年8月25日
サマースクール最終日 @大阪大学会館
コロナ禍で、スクール生に提供できなかったものも多いため、スクール生発表の賞状とトロフィーにはこだわりました。大阪といえば!?太陽の塔!私達のラボからも毎日太陽の塔を見ることができます。海洋堂が販売している精巧な太陽の塔の1/350スケールフィギュアにBest Presentation Award JSI Summer School in Osakaと印字したドッグタグをつけてトロフィーにしました。さらに!講師達の直筆サインが入った賞状も準備しました!あ~~~~んこの賞状私が欲しい!!と思ってしまうくらい蒼々たるレジェンド達のサイン。1日目のスクール生発表で優秀な発表を行った3名のスクール生に贈られました。おめでとう!
正直に言うと、今回サマースクールをオンサイトでオーガナイズすることは地獄のように大変なことでした。参加するスクール生や講師にはそれぞれの大学や県で定められた感染症に対する制限があり、それを守りつつ、イベントを開催することは至難の業です。オンサイトにこだわったのは自分ですが、感染症対策に翻弄されながらこの国でイベントを開催することに何度も心がポッキリ折れそうに・・・。どんな状況でもポジティブシンキングがモットーの私も、さすがに眠れないほど神経が過敏になりながら4日目をむかえました。
一般的な学術的な会ではイベント会社に会場手配から抄録作成、参加登録、HP作成、参加者への連絡、会計、会場設営などを頼んでしまいますが、免疫サマースクールは手作りの会なので、それを完璧に仕上げてくれたのはラボのスタッフ達です。特に大変だったのが抄録の作成。138ページの抄録を1枚ずつ作り、何度もチェックを重ね素晴らしい抄録を作り上げてくれました。本当に頭が下がります。サマースクールが始まってからも、スタッフ達はほとんど会場で座る事なく裏方でかけずり回り、それぞれが次に行うべき事を考え行動してくれたことで、素晴らしい会を無事行う事ができました。本当は講師陣の講演を一番聴きたかったのはうちのスタッフ達だっただろうなぁと思うと涙が・・・。定年まであと20年ありますが、研究者としても人としても個性と情熱を持った優秀なスタッフがこれほどそろうことは今後もないだろうと思ってしまうほど、粒ぞろいのスタッフに支えられて免疫サマースクール2022の幕が閉じました。
久しぶりのオンサイトでのイベントはスクール生だけでなく、講師や我々スタッフにもこの数年忘れていた人と人が出会い、言葉を交わし、信頼関係ができることの素晴らしさを思い出させてくれたような気がします。サマースクールが終わり、希望者だけで太陽の塔の内部見学ツアーに行ったところ・・・。最後尾で太陽の塔から出てきた私にスクール生が封筒を手渡してくれました。中には44名のスクール生からの手書きの感謝の手紙が!!サマースクールは23回目をむかえましたが、かつてこんなに幸せなオーガナイザーがいたでしょうか?皆さん本当にありがとうございました!最高のサマーになりました!!(茂呂)
2022年8月24日
免疫サマースクール3日目 @大阪大学会館
三日目になり、スクール生の雰囲気が一変したのを感じました。「会場全体が息づき始めた」という表現がぴったりです。COVID-19が始まり、大学生や大学院生は活動の場を失いました。授業はオンサイト、部活はだめ、飲み会なんてもってのほか。そういう生活を20代の若者が2年半も強いられることの弊害を社会もっと知るべきだと思います。確かに、ワクチンがなかった時期、治療法が分からなかった時期は、そういった犠牲に頼らざる得なかったわけですが、欧米が日常を取り戻し、たくましくあらゆる活動を再開しているのに対し、日本はいつまで若者の自由を奪うことで国民感情を逆なでしない政策を続けるのか疑問に思います。スクール生の多くが人生の最も熱い時代をCOVID-19による規制の中で過ごしてきました。1日目、2日目に感じたのは、スクール生達がPCの画面を見るように無反応で講師の話を聞いていることでした。笑い、ざわめきが起るのはバルコニー席の講師席のみ。ところが!若さはやはり素晴らしいもので3日目に入ると明らかにスクール生達のレスポンスが良くなったのです。会場のレスポンスが良いと、講師陣も言葉に力が入ります。スクール生と講師の熱意がぶつかり合って、会場の熱気はどんどん増していきました。これそオンサイトの醍醐味、これぞリアルワールドです!
夜通し泊まり込みの飲み会もCOVID-19以前のサマースクールの醍醐味でした。第7派のピークをようやく越えたとはいえ、さすがに泊まり込みの飲み会は・・・ということで、屋外・席固定・マスク飲食・時間制限ありというしばりの中でしたが、完璧な感染防止対策を図りつつフェアウェルパーティーを行いました。昔では考えられないことですが、大学院に入ってはじめての公式なパーティーがサマースクールという学生さんも多かったと思います。若者の心が渇ききる前に、もっともっと人と人が交流することの素晴らしさを教えてあげたい、教えてあげられる場を大人達は提供するべきだ、と心から思いました。(茂呂)
2022年8月23日
免疫サマースクール2日目 @大阪大学会館
免疫サマースクールは4日間行われます。免疫学会のレジェンド達が講師となって4日間も謝礼なし、交通費・ホテル代支給なしの手弁当で参加してくれます。9時~20時までぶっ通しの講義はなかなか大変ですが、それもこれも若手を育てたいという免疫学会の先生方らしい愛情なのだと思います。講義では講師の先生方が免疫学的な知識だけでなく、研究者として生き抜くために大事なメッセージをたくさん教えてくれました。2日目になり、スクール生達もオンサイトに馴染み始め、質疑応答ではたくさんの質問が飛び交いました。聞きたいことをどんどん聞ける、それもサマースクールの目玉です。
今回初めてパネルディスカッションを企画してみました。あらかじめスクール生から質問を投票していただき、「研究者として生きる極意」というテーマと、「スクール生の質問に何でも答えます、レジェンド達のオフレコトーク」という2つの課題でパネルディスカッションを行いました。講師の先生方の本音が聞けてとても楽しかったです!(茂呂)
2022年8月22日
免疫サマースクール2022始動! @大阪大学会館
晴天に恵まれて免疫サマースクールがスタートしました。会場となった大阪大学会館は昭和3年(1928年)に旧制浪速高等学校の校舎として建てられ、学制改革により大阪大学に移管されました。会場選びをした際、昭和と言うより大正浪漫に近い雰囲気に一目惚れして決めた会場です。メイン会場となった講堂では、一階席に感染リスクの低いスクール生を、2階バルコニー席に感染リスクの高い講師陣を配置することで感染防止対策もしっかり。受付や交流、スクール生発表の場となったアセンブリーホールはダンスホールを思わせるような木のぬくもりのある会場です。
ところで、免疫学会には公式キャラクターがたくさんいることをご存じでしょうか?これまでのサマースクールの抄録は夏らしい海や青空の青っぽい抄録が多かったのですが、歴史を変えてしまうのが大好きな私がデザインしたのは公式キャラの細胞達がお仕事をしている表紙です。サマースクールの公式キャラであるたこ焼き細胞も今回新たに作り、会場各所に飾ってみたのですが、誰からも突っ込みが入らずがっくり。大阪だからたこ焼きやねん・・・蛸の帽子かぶってんねん・・・爪楊枝の武器で戦うねん・・・チャームポイントは頭にのせた鰹節と海苔とマヨネーズやねん・・・。まぁ、努力って認められないことがほとんどですよね、ドンマイ。
今年のサマースクールは「再集結・再躍動・若き血をたぎらせろ!」をスローガンにしました。オンラインで全てを行う事に慣れすぎて、オンサイトの素晴らしさを求めなくなってしまった若者達に、血が沸き立つような人と人の交流の素晴らしさを教えたいという想いでの開催です。久しぶりに130人が集った会場は壮観!スクール生も講師も慣れないオンサイトに少しビクビクしながら1日目が終わりました。(茂呂)
2022年8月18日
免疫サマースクール三昧@大阪
免疫学会主催の免疫サマースクールは、免疫学を勉強する学生なら一度は出てみたいあこがれの会です。今年は免疫サマースクールのオーガナイザーを仰せつかり、この半年間、学生や若手研究者が楽しんでくれる会にするためにいろいろなプランを立ててきました。その準備もついに大詰め!この1ヶ月、他の仕事はほぼストップして、毎日準備に奔走しています。今年は科研費申請を諦めるしかないかなぁ・・・トホホ、と思いつつも、なんとか準備を進められたのは、優秀なスタッフ達のおかげです!ラボ中段ボールだらけ、私の美しい教授室もまるで夜逃げ前の部屋のようになってしまいましたが、スクール生が楽しんでくれる姿を想像しながら頑張ってます!!(茂呂)
2022年8月8日
よろしくおねがいします!@大阪
茂呂研究室に新たに加わりました古賀諭です。4年間のアメリカ留学を終え、茂呂さんのもとで再びお世話になることになりました。
素晴らしいラボメンバーに囲まれて研究が出来る喜びを噛みしめ、日々研究に邁進してまいります。よろしくお願いします!(古賀)